50代から土木業界に転職を考えている人へ、今まで畑違いの仕事をしていたのであれば不安も大きいと思います。
「キツイ・汚い・危険」の3Kと言われる業界ですし、ネットではDQN(ドキュン)と言い表されますがちょっとズレている人も多いのではないかとイメージしている人もいるでしょう。
そんな50代の方へ、
土木・建築業界内で何社か転職をしながら15年ほど過ごした私の実体験も踏まえながら、50代が現場で働くことについてお伝えします。
最初にお伝えしておきますが、
現在の私は現場で働く人間ではなく、パソコンの前に座って仕事をしています。
この記事をご覧になるあなたを、土木建築業界へ誘うつもりは全くなくフラットな状態で書いています。
結論。50代からでも遅くはない。
まず最初に心配になるのは、
「50代にもなって働き始めて務まるのか?」
という点かと思います。
結論から言うと、大丈夫です。
正直言って50歳を過ぎて土木や舗装の仕事に転職する人は全体的にみると少ないですが、
私自身、過去に一緒に働いた職人さんの中には50代から業界に入って、僕と知り合った頃には60代後半でバリバリの職人として働いている人もいました。
ただ、土木の仕事は業界内で転職する人は普通にいますので、50代の転職自体は珍しいことではありません。
しかし、全くの素人という事になると、他の世代に比べ50代を雇う会社は少なくなるのは仕方のないことでしょう。
受け入れてくれる会社も少なくない
50代から土木業界への転職を考えても雇ってくれる会社が無ければ務めることはできません。
20代や30代に比べると選べる業種は減りますが、雇ってくれる会社はあるでしょう。
どちらかというと建物より、外で働く土木系の方が多いような気がします。
もちろん会社によりけりですが…
50歳という年齢より、やる気の問題
年齢よりも、やる気の問題とも言えます。
賛否あるかもしれませんが、現場で働く3Kの仕事は「他に仕事ないし」という理由で仕方なく働いている人も少なくないからです。
誠意や熱意をもって面接に臨めば、使ってくれる会社もあるはずです。
私が出会った第2の人生に土木・舗装業界を選んだ職人さん
ここで、私が実際に出会った実際に50代から転職した職人さんの話をご紹介します。
もちろん、これは実際に本人に聞いた話です。
55歳から舗装工に転職した65歳Aさん
舗装屋だったのですが、当時バリバリの職人さんでした。
しかも若い奴には負けないほど元気だったんですが、聞くと55歳から業界に入ったそうで、
前職は運送関係の仕事をしていたといっていました。
お子さんも結婚していて、孫に小遣いをやるのと晩酌を楽しみに働いていました。
50代後半から舗装屋に転職したOさん
Oさんは50代後半、たしか57~58くらいだったと思いますが、当時私が働いていた舗装屋へ転職してきました。
最初に紹介したAさんとは違う会社なのですが、偶然にも前職は運送関係とおっしゃってました。
始めは慣れない肉体労働で、体は筋肉痛でバキバキ。笑
最初は体力的に大変だったと思いますが、陽気で明るい性格だったこともあり、すぐに打ち解けて長く仕事を続けています。
50代から転職して職人になった人はイイ人が多い?!
これは、あくまで個人的な印象ですが、
今まで出会った職人で、ある程度年齢が行ってから転職してきた人はイイ人が多いという印象。
未経験の素人で始めて、若いやつにキツく当たられたり体力的にも最初はキツかったでしょう。
そんな時期を乗り越えたからなのか、他の業界での人生経験が生きているのか、土木建築業界しか知らない人より人間的に魅力の人が多いような気がしています。
土木系は複数人で現場をこなす仕事
50歳からの肉体労働は、慣れるまでは大変だと思いますが、土木系の仕事は1つの現場を少なくとも3人、大きな現場なら同じ会社の人間が10人以上になることもめずらしくありません。
その中で、新人はスコップや一輪車(ネコ)で材料を運んだり、ダンプで資材の運搬をしたりするので、仕事をしている間ずーっとこき使われているわけでもありません。苦笑
仕事を覚えるよりも、体がなれるまでが大変です。
建築・土木業界に未経験者が飛び込むってどんな感じ
先にご紹介した2人も、「最初はきつかった」
とやはり言っていました。
具体的にどのようにキツかったかは、実際に私も経験していますし
私がある程度仕事ができるようになってから年上の初心者が入社してきたこともありますので、どのような点がきついのか?どのような雰囲気なのか。3点お伝えしましょう。
- 言葉遣いが荒い
- 年齢よりキャリア
- コミュニケーションが苦手
では、一つひとつ理由をご紹介します。
①言葉遣いは荒い
基本的に現場で働く業界は言葉遣いが荒いです。
年齢よりも仕事ができるかどうかが重要ですので、若くても職人なら敬語なんてほとんど使わないです。
なので、年下に命令されたり偉そうな態度をとられて「年下のくせに」と怒りを感じるなら厳しいでしょう。
②年齢よりもキャリア
これはどの業界でも同じ側面があると思いますが、仕事ができるかどうかで見られる部分が大半です。
未経験者は、年齢がいくつであろうが下っ端です。
年下に怒られたり腹を立てたり、言葉遣いが気になるなら止めた方が良いです。
逆に、仕事さえ覚えたらストレスは極端に減るでしょう。
③コミュニケーションは苦手
基本的に、営業職とは真反対の業種です。
また、言い換えるとなぜか人見知りの人が多いです。
(著者の私も人見知りですが…)
会社によっては、こちらから話しかけなければ誰も口をきいてくれない。という職場もあるでしょう。
こちらから作業の指示を仰がないと誰も教えてくれないまま現場が進んでいく。なんてこともあるでしょう。
もちろん、これは業種によってではなく
会社によって違います。
④元ヤンキーやヤ〇ザみたいな人多いの?
私はキャリアのわりに転職した方だと思いますが、全くいないとは言いませんがそれほど多いとも感じません。
元ヤンキーに関しては建設系の方が多いかなという印象ですね。
個人的な主観では鳶や塗装とかかなぁ…
土木や舗装関係は意外と少ない印象かなと。
ヤンキーやDQNというより単純に勉強してこなかった。あるいはできなかった人が多い印象
(業界の人ごめんなさい。割合の話しです。笑)
ヤ〇ザに関しては、「俺、昔あっちの人間だったから」みたいなニュアンスをほのめかす人や指がない人も過去にはいましたが、だからと言って仕事や付き合いで面倒なことになった経験はありませんでした。
極めて少ない印象です。
最近は闇社会とのつながりも厳しくなっていますし、闇社会と繋がりがあるかどうかというより、採用したらたまたま元ヤ〇ザだったというケースが一般的かと思いますが…
なので言葉足らずでぶっきら棒だったり、見た目もだらしなかったり怖いという悪印象を持っている人も多い業界ではありますが
実際に働いてみるとそんなことないと印象が変わると思います。
私自身は、葬儀業界で働いていたこともありますが
人間関係は葬儀社の方がドロドロしてましたね。
(大手だったからかな…苦笑)
土木・建築業界で働いて良いと感じたこと
50代から現場で作業服を着て汗をかきながら働くことで良い点と悪い点を経験を交えてお伝えしたいと思います。
まずは良い点を挙げていきます。
お金がそこそこ良い
未経験者でもそこそこの収入が得られます。
上を見ればキリがないですが、底辺ではないですし経験を積んで資格を取得して管理職に回ることもできれば、独立する人もいます。
飯がうまい
汗を流して働くので飯が旨いです。
ぐっすり眠れる
身体を動かして働くので夜は疲れてぐっすり眠れます。
健康的
肉体労働なので、適度に筋肉は付くし身体を動かしているので健康的です。
酒とたばこ、暴飲暴食には気をつけましょう。
土木建築業界で働く悪い点・注意点
では土木建築業界で働く悪い点はないかというと次の点です。
福利厚生がしっかりしてない会社がある
これは転職先を選ぶ上で注意したい点です。
日給が高いと魅力的に見えたりしますが、社会保険や厚生年金などの福利厚生がしっかりしている会社を選ぶことをおすすめします。
福利厚生がない会社は、最近は減ってきましたが、日給が高くても保険や年金がつかなければ、自分で厚生年金や健康保険に加入しなければならず結局は高くつきます。
身体が資本
肉体労働ですから身体が資本です。
健康管理に気をつけましょう。
特に無理して腰をやってしまったら、仕事を続けるのに支障が出ます。
高収入を目指すなら資格取得か独立しかない
初心者でもある程度の収入は見込めますが、職人になったからと言って収入が跳ねあがるわけではありません。
もっと収入を増やすなら国家資格を取得するか、独立の道しかないでしょう。
50歳から土木業界へ転職する人へアドバイス
50代から土木・建築業へ転職するなら、経験者として僭越ながらアドバイスさせて頂くと
- 身体がなれるまで2~3ヵ月
- 仕事に慣れるまで半年くらい
最低限半年は続けてみることを決めて始めると良いと思います。
身体がなれるまで2~3ヵ月
最初は毎日のように筋肉痛になると思います。
特に前職がデスクワークや営業職で力仕事でなかった人は特に。
畑違いの業種から転職すると、何より1番ツラいのは体力面でしょう。
50代にもなると代謝も落ちてますから、筋肉がつくまでもそれなりに期間が必要になります。
最低でも2~3ヵ月。
そして半年、1年も続けると身体も慣れてきますし、力の抜き方も分かってくると思いますので毎日ヘトヘトになるという事はなくなるでしょう。
仕事に慣れるまで半年くらい
これはもちろん、職人になるまでの期間ではなく…
半年くらいすると大まかな仕事の流れが分かってくると思います。
次に何をすれば良いか、この作業にはどんな道具が必要かなど分かってくると思いますので、まじめにやっていれば怒られる機会も減るでしょう。
どんな仕事でも、最初はわからないし緊張やプレッシャーもあると思いますが、ある程度全体の流れや周りが見えてくると力の抜き方も分かってくるでしょう。
まとめ
仕事の工程を覚えながら働くと5年もすれば仕事の流れが一通りわかるようになるでしょう。
50歳から働いても55歳です。
52歳から働いても57歳です。
人生100年自体と言われている昨今です。
そう考えると遅くはないと思います。
あと、余談ですが、
長く働いていても全然仕事できない人もいますから、年齢よりやる気の方が大事だと思います。
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