施工管理の仕事に興味を持ち就職・転職を考えている方、
現在、建築学科などで学んでいる方。
施工管理の仕事をネットで検索するとネガティブな情報が多いので、
こんな不安を感じていませんか?
- 施工管理はやめとけって言われた
- 建設現場の監督や施工管理の仕事ってキツイの?
- 施工管理の仕事の将来性はどうなの?
- ブラック企業に就職したくない!
施工管理の仕事はキツイ・ブラック・3Kなどと言われることも多いですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
こちらの記事では、施工管理/現場監督として10年以上キャリアを積み、現在工務店や施工会社へのコンサルティング会社を経営する私が、施工管理は本当にやめておいた方が良いのか?経験談を交えてご紹介します。
「施工管理はやめとけ!」と言われる5つの理由とは
①残業が多く長時間労働の会社が多い
働き方改革と言われる前は、現場監督の土曜出勤、残業は当たり前でした。
人がいれば交代で土曜日を休める現場もありましたが、基本は出勤です。
なぜこんなに長時間労働なのかというと、理由は簡単で、残業しないと終わらないくらい仕事量が多いからです。
8時から17時は現場に出て職人さんに具体的な指示をしたり、予定通り進んでいるかの確認をしたりなどの仕事があります。
また職人さんが帰った17時以降から事務所に戻り、明日以降の段取りや施工図描きなどのお仕事を行い、22時くらいまでお仕事をするのが、結構当たり前の世界でした。
最近では土日休み、残業が少ない企業も増えています。
②休みが少ない
土曜日も職人さんが現場にきて作業するので、当然監督さんも出勤です。
工期は絶対なので、監督さんは一日でも早く工事を進めたいと思い、職人さんは働けばお金をもらえるので、土曜日はなるべく出勤しようとします。なので、自然と休みは日曜日の週一になります。
現場にもよるのですが、突貫工事だと日曜日の出勤や深夜の出勤の場合もあります。
この場合は他の社員と交代で休むわけですが、休みが少ないのは否定できません。
③様々な業務があり覚えることが多い(マルチタスク)
現場監督の仕事は、本当にマルチタスクです。
施工管理の仕事とは
- 設計図を基に
- 予算内
- 工期内に
お客様の望む建物を建てるために管理することです。
設計図通り建物が建っているかのすべてのチェックが監督さんの仕事です。
材料一つとってもお施主様が望んだものか、設計図とあっているか、取り付けるのに下地など事前にどのような段取りが必要か、この製品はどのように使うのかなど、すべて把握しなければなりません。
また職人さんは工事のプロですが、経験もスキルも様々です。
相手の経験やスキルに合わせて、こちらが具体的に指示をするわけです。
また「監督」という業務ですから、職人さんが工事をした部分が、適切なのかそうでないのかの判断も現場監督には求められます。結果の見た目だけでなく、過程も決められた通り行っているのかの確認をするのも監督さんの仕事です。
ですから、ゼロから現場監督を行う場合、本当に覚えることが多いです。
④建設現場は危険がある
建設現場は相変わらず死亡事故もあり、確かに危険です。
だから建設現場では、「安全第一」と掲げ、安全作業を皆さんに求められます。
⑤夏は暑く、冬は寒い
夏は暑く、冬は寒いです。
最近は、温暖化ということで昔と比べれば、冬は暖かくなったような気がします。
ずっと椅子に座っての仕事ではないので、事務所の外で体を動かす爽快感はありますが、スポーツをするのと同様に、夏は暑く、冬は寒いです。
こんな人はやめとけ!施工管理の仕事を選ばない方が良い人
元気がなく声の小さい方。
現場は機械や作業の音で何かとガチャガチャしています。
そんな中で職人さんたちとコミュニケーションをとるので、声が小さいと聞き取りにくいです。
元気にハキハキと話すことが求められます。
コミュニケーションが苦手な方
建設現場は、多くの人とコミュニケーションを取りながら工事を進めていきます。
相手を不快にしてしまったりトラブルになると、それはあなたのコミュニケーションに問題があると評価されますので、他人のせいにしたり、コミュニケーションスキルを改善していこうという気持ちがない方は、施工管理の仕事は向いていません。
仕事で汗をかいたり、日焼けしたり、汚れたりするのが嫌な方
施工管理の仕事は、事務所でのパソコン作業もありますが、現場での作業もあり、内容によっては作業着が汚れたりはします。
夏の現場作業は、汗はだくだくですし、日焼けも当たり前です。
このような方は施工管理として働くのに向いていないかもしれません。
施工管理が向いている人、向いていない人についてはこちらで記事にしておりますので、参考にどうぞ
「やめとけ!」と言われるほどブラックなのか?!施工管理でホワイト企業はあるの?
かつての建設業はブラック企業がほとんどだと思います。
ですが、働き方改革や若手の建設業離れから、建設業の働く環境は大きく変わっています。
現場監督をやってみたいなと思う方は、是非ホワイトあなたに合う企業を探してみてください。
ホワイト企業のはたらき方とは?
最近では建設会社でも週休2日で残業もほとんどない会社も出てきました。
そこで、まずホワイト企業って何をもってホワイト企業なのかを知っていきましょう。
「就活の未来」というサイトに、ホワイト企業の特徴、基準、見分け方が掲載されていたので、確認しましょう。
ホワイト企業の特徴5つ
①離職率が低い
②福利厚生の充実
③残業時間が少ない
④社員の年齢層に偏りがない
⑤明確な評価制度があるホワイト企業の基準5つ
①給料を詳細に記載する
②不正がない
③給料が高い
④勤続年数の長さ
⑤パワハラ・モラハラがないホワイト企業の見分け方
引用元:就活の未来 より
①求人を頻繁に出していないか
②社員が楽しそうに働いているか
③仕事だけでなく家庭も大事にできるか
④有給を取得できるか
こちらも参考になります。
ホワイト企業の特徴や基準5つ|新卒の離職率が低い企業もご紹介
世間では、ブラック企業は大変、ホワイト企業はその逆で大変じゃない、楽というイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、楽や大変じゃないのが、ホワイト企業ではないということは押さえておく必要がありますね。
どんなに時間が短くても、嫌な仕事は嫌ですし、やりがいのある仕事は、「え~、もっと仕事したいんですけど」と思うものです。
世間の基準はありますが、あなたにとってのホワイトの基準は何なのかを考えておく必要があります。
残業や休みに違いは?週休2日導入が進んでいる?
結論から言いますが、週休2日制の導入が進んでいる建設業の企業さんはゼロではないですが、少ないです。
建設現場において週休2日制がどのくらい進んでいるかの状況について千葉市がアンケート調査を行いました。
その結果、(一社)千葉市建設業協会の約7割の企業が完全週休2日制を未導入。
また、土木・建築ともに、完全週休2日制を導入している企業は3~4割程度という結果になりました。
参考:令和3年度 建設現場における週休2日制の導入状況アンケート(千葉市建設局土木部技術管理課)
他の建設業もこのような傾向かどうかわかりませんが、1つの目安になるのではないでしょうか?
私の見解では、実際はもう少し悪い傾向が出るのではないか思っています。
- 千葉市が工事を発注する時は、週休2日になるよう工期を考慮してくてれる
- アンケート記入の際、お施主様である千葉市に対してよい印象を持たれたい
という心理が働くからです。
実際の建設現場では、お施主様が週休2日制を導入して欲しいからという理由で工期を考慮してくれる方はいません。
また、店舗工事の場合は、早く開業したいと考えているお施主様がほとんどですから、夜間工事や日曜祝日も工事をしている会社もあります。
このような状況で週休2日制ができている会社は、人に余裕があり、交代で休めている会社です。
人手不足の建設業ですから、今後も週休2日制導入は、非常に厳しい状況が続くと思います。
【体験談】施工管理は本当に「やめとけ」というほど激務なのか?良かったこと
①社会人として磨かれ自信につながりました
学生と社会人との違いは、責任の重さの違いです。
更に建設業だと、より大きなお金が動くため、責任もそれだけ重くなります。
責任ある仕事を行う事によって、社会人として磨かれ、大きな自信につながりました。
②リーダーシップスキルがアップし、起業につながりました
施工管理のリーダーシップスキルがあって、良い建物につながります。
監督さんの的確な指示、声掛け、コミュニケーションがあることで、職人さんは普段以上の力を発揮します。
監督になり、3年が経った頃、ある先輩にこういわれました。「会社の看板で仕事をするな」はじめはよくわからなかったのですが、職人さんは私ではなく会社の看板があるから、私の指示命令で動いてくれていたことに気付きました。
会社の看板ではなく、「ぜひ一緒に仕事がしたいです。」「あなたに言われたらしょうがないな。」と言われるような、リーダーシップスキルを手に入れてください。
私はリーダーシップスキルが磨かれたからこそ、起業することができました。
今は自分の看板でお仕事ができるようになりました。
③危機管理能力が身に付き、気遣い力につながり、女性から喜ばれてます
施工管理の仕事は、段取り8割だと言われますが、段取り力がとても磨かれます。
この能力が身に付くと、失敗やトラブルが少なくなり、どんな仕事でも活躍できます。
また女性から「気が利くね」と言われ、もてるようになります。(笑)
施工管理の仕事は、職人さんがスムーズに仕事ができるよう段取りすることです。
職人さんが現場に迷わず到着できるよう、現場住所だけでなく、現場案内図をつくって事前にFAXしていました。
職人さんが仕事をしやすいよう事前に片付、掃除をしておいたり、墨出しをしたり、また外部の仕事で万が一雨が降っても仕事ができるよう養生したりと、万が一のことを想定する能力が自然と身に付きました。
それこそが危機管理能力であり、気遣い力が身に付きました。
仕事で身に付けた能力がプライベートでも役に立ち、良かったなと思っています。
④建物の仕組みがわかり、困ったときに頼られ自尊心アップにつながります。
衣食住は人が生活するうえで絶対になくならないことです。
特に住まいは、素人ではわからないところが多くあります。
なので、建物で困ったときに原因や対処方法がわかるので、何か困ったときは慌てず対応できる安心感につながっています。
また悪徳リフォーム業者が増えているので、安心してそういった方々に対応できるのは強みですね。
生活に直結するプロのスキルを手に入れられたのは、とても大きな自信につながっています。
⑤大変だが一般ではできない経験が格別な達成感につながった
施工管理を行っていての良かったことは、やはりよい建物ができた時のやりきったという達成感ですね。
直接お施主様から感謝されると「やってきて良かったぁ」と、本当に心から嬉しかったのを覚えています。
施工管理は正直大変です。だからこそ建物が完成し、無事完工できると、非常に嬉しいんですね。楽なもので、心からのやりがいや喜び、達成感につながるものはありません。大変だからこそ、やりがい、喜び、達成感が格別なものになります。
まとめ。結論!
施工管理はとても大変だが、やりがいのある仕事です。
そして、どんなに時代が変わろうとも、どんなに新しいモノや機械が出ようとも、工事を通して気持ちのバトンタッチが我々の仕事です。
そのバトンタッチがスムーズにいくために、知識や上手くいかなかった経験も必要だし、コミュニケーションもとても大切です。
お施主さんをはじめとして、関係者皆さんの気持ちをくみ、気持ちを込めて作られた建物は、あなたの心からの達成感や、自信につながること間違いありません。
建築好き、ものつくりが好き、皆で作り上げていくことが好きな方には、施工管理が向いているでしょう。
今回のポイントを押さえ、素敵な会社や素敵な仲間との出会いにつなげ、よりよい人生にしてくださいね。
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