こんにちは。
はっしーと申します。
私は、建築土木の現場で約15年働いてきて型枠大工の仕事は未経験なのですが、
今回、型枠大工としてこの道30年の職人で、独立して従業員を雇っている社長に話しを聞いてきたので、型枠大工で独立する方法をご紹介したいと思います。
今現在、
型枠大工の仕事に従事している方、
独立を考えている型枠大工職人の方へ
こちらでお伝えする独立の話しが全てではありませんが、少しでも参考になれば幸いです。
型枠大工は独立しやすい?それとも難しい?
建設関係の職人は、独立する人が比較的多い業種です。
土木系は一人で現場を施工することが難しいので、一人親方としての独立は難しいですが、
建築関係は、クロスや塗装、設備、大工など一人親方として独立する人が多い業界です。
建築型枠大工も当然、建築系にあたりますが、
型枠大工は一人親方として独立した場合、受注できる仕事に制限が出るので難しい側面もあります。
一人親方と職人を雇い会社で独立する違い
現在、型枠大工として働いている方はご存知のこと思いますが、
一人親方だと、一軒家の基礎中心の仕事になるでしょう。
大きな構造物の仕事は、複数人の職人で手掛けるので一人親方として受注するのが難しいと言えます。
請負ではなく、一人当たりの人件費や使った材料・機材に対して支払うこと。
型枠大工の独立・起業に向いている人。向いていない人
仕事をするうえで職人としての腕も必要ですが、
独立すると、いかに仕事を取ってくるかが大事になります。
そう言った意味では
- 人づきあいが苦手な人
- 寡黙に型枠大工の施工だけをこなしたい人
には向いていないのかもしれません。
もちろん、一人親方の中でも昔ながらの職人気質で人づきあいが苦手という人もいるでしょう。
しかし、儲けを出す。
という意味においては、職人としての腕より営業力の方が大事になってきます。
型枠大工で独立する働き方
型枠大工で独立するには、
- 一人親方として独立
- 従業員を雇い会社として独立
の2つの独立・起業方法があります。
それぞれ見ていきましょう。
一人親方として独立
職人として腕を磨きながら、元請けの信頼を勝ち取って仕事をもらえる確約があれば独立できます。
仕事の契約には
- 請負
- 材工(常用)
の2つに分かれますが、
一人親方の場合、ほとんどは
材工になるでしょう。
型枠大工で一人親方として働いている方は、一軒家の基礎工事をメインにしている方が多いようです。
マンションやアパートを手掛ける際は、一人親方が複数人集まって1棟を施工するのが一般的。
従業員を雇い会社として独立
従業員を雇って独立する場合は、
求人募集や他社から型枠大工職人を引き抜いたり、部下を連れて独立する方もいます。
ちなみに、
私が話を聞いた型枠会社の社長は、
務めてた会社が倒産したのをきっかけに、自分の班を引き連れて独立したそうです。
マンションやビルなど大きな建造物は、施工にある程度の人数が必要になるので一人親方では請け負うのは難しいようです。
型枠大工の請負。儲かる仕事・儲からない仕事の違いとは
建築や土木で元請けから仕事を受注する際の契約は、請負か常用のどちらかになるのが一般的で、一次か二次下請け(孫請け)で単価が変わってくるものですが、型枠大工ではどうでしょうか。
型枠大工が仕事を受注する際は、
- 下請け
- 二次下請け(孫請け)
- 常用(材工)
材工(ざいこう)かどうかでも変わります。
それでは、一つひとつ見ていきましょう。
元請けから仕事をもらう(下請け)
型枠大工は、住宅メーカーや工務店や建設会社など元請けから仕事を受注するのが一般的です。
元請け会社との繋がりで継続的な仕事が約束されていれば、食べていけるだけの収入は確保できるでしょう。
二次下請け(孫請け)
同じ下請けでも、孫請けの仕事はどの業界でも儲けは少なくなります。
お客さんが仕事を発注して孫請けに仕事が流れて来るには
お客→元請け→下請け→孫請け
という段階を経ていくので利益は少なくなります。
材工(常用)
現在、型枠大工として働いている方はご存知と思いますが、
型枠大工の業界では、常用のことを材工(ざいこう)と言います。
型枠大工は、現場で型枠を組む前に、
設計図から型枠を作成する工程があります。
型枠資材・加工場所や運搬車両など元請けの資材・土場やトラックを借りて仕事を受けている契約を、材工と言います。
型枠大工で独立するのに必要な準備とは
では続いて、型枠大工として独立、開業するための準備についてです。
- 資格
- お金
- 工具
- 作業車
- 材料置き場
についてみていきましょう。
型枠大工の独立・起業に資格は必要?
型枠大工で独立するために必ず必要な資格は下記の通りです。
- 玉掛け
- 型枠支保工
- 所長安全衛生責任者(講習)
また、国家資格として型枠施工技能士(2級1級)があります。
仕事が増えるかどうかは別の話しですが、独立するなら取得したい資格です。
大手と取引するなら型枠施工技能士の資格は必須です。
お金の話し。独立資金はどれくらい必要?
型枠大工として独立すると、従業員ではなく請負(または材工)で仕事をすることになります。
給料は翌月払いが基本ですが、請負の場合、支払いが翌月あるいは翌々月など2か月後になることもめずらしいことではありません。
工具や材料を仕入れる資金だったり、従業員を雇う場合は給料を先に払う必要もあります。
自分自身の生活に必要な資金に加え、これらの支払いをおこなえるだけの数か月分の余裕はあった方が良いでしょう。
仕事をするうえで必要な工具は?
型枠大工は、自分で使う工具は自分でそろえる。
というのが一般的ですよね。
ただし、コンプレッサーは用意した方が良いでしょう。
作業車は必要?
材工(常用)の場合は、普通の乗用車で現場に出勤するケースが多いようです。
型枠大工は、従業員を送迎している会社も少なくありませんよね。
そのような場合はワンボックス車が良いでしょう。
請負になると自社の土場から型枠大工を現場に運搬する必要も出てきますので、トラックが必要になりますが、リースで対応している会社もあります。
材料置き場は必要?
材工(常用)ではなく、請負で仕事をするなら材料置き場(土場)が必要になります。
資材の保管と、型枠を加工する土場が必要になります。
独立資金や、どれだけの受注見込みがあるかによる部分もありますが、
元請けの土場を借りながら、まずは材工で独立するのが一般的のようです。
型枠大工の仕事ってどうやって受注するの?
型枠大工は独立したらどのように仕事を受注しているのでしょうか。
基本的に建設業で職人が独立すると元請けから仕事をもらうか、お客さんから直接受注するかの大きく分け2つですが、
型枠大工の場合は元請けから仕事をもらうのが一般的です。
一般住宅の基礎、ビル・マンション・店舗など
いずれの場合もハウスメーカーや工務店・建設会社からの受注になります。
それでは、一つひとつ見ていきましょう。
2次、3次下請けは儲からない
元請けであるハウスメーカーや建設会社・工務店から仕事を受注するのが一般的ですが、
2次下請け・3次下請けと中間に会社が絡むほど、利益はなくなります。
できるだけ良い条件で仕事をしたいものです。
受注額が大きくなったら必要な資格
建設業では1件当たりの受注金額が500万を超える場合は「一般建設業許可」が必要になります。
さらに3,000万以上の工事は「特定建設業許可」が必要です。
一般住宅メインであれば1件あたり500万には届かないはずですが、型枠大工はビルやテナントなど手掛けると受注額が大きくなりますから、「建設業許可」の準備は検討しておく必要があるでしょう。
一般建築業許可についてはこちらに書いていますので
参考にしてみて下さい。
記事を最初からご覧になる方はこちらです。
まとめ。これからはホームページが儲けのカギ
いかがでしたか。
型枠大工としてこれから独立・起業を考えている方から、現在型枠大工職人として、または見習いとして働いているけど将来的にどうなのかな?
と感じている方へ、何かの参考になれば幸いです。
あと最後に一つ付け加えておくと、
「一人親方は人の繋がりが大事」という人が多いですね。
元請けとの繋がりはもちろんですが、大きな現場では仲間の職人に応援に来てもらったり、逆に応援で手伝いに行ったりする機会もあります。
横の繋がりも大事だという声が多いです。
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